過払い金返還請求権の消滅時効について

最近、テレビやラジオのCMで、「過払い金」という言葉をよく耳にしますよね。

過払い金というのは、金融会社との間で、借り入れと返済を繰り返すような取引を長期間にわたって継続している場合に発生する、不当利得金です。不当利得というのは、民法703条に規定されているのですが、法律上正当な理由がないのに利得を受けて他人に損失を与えた場合の利益のことです。不当利得は返還しなければいけません。

金融会社は、利息制限法の上限を超過した利息を取り続けていました。これは、出資法という法律に、例外的に利息制限法の上限を超えていたとしてもこれを有効とする「みなし弁済」規定が存在したためなのですが、この例外規定の適用範囲が判例で徐々に狭められ、最終的にはほぼ適用は不可能な状態になったために、ほぼ全ての金融会社が不当利息をしていたような状態となりました。

不当利息は、利息を付けて返還しなければいけない場合と、利息を付ける必要まではない場合があります。これも民法に規定されているのですが、悪意の受益者は、利息を付して返還すべきと規定されています。悪意の受益者というのは、返還しなければいけないことを知りつつ利益を得たものです。金融会社は貸金のプロですから、当然返還義務があることを知っていたというように判断されることが多いです。 参考:貸金業者は原則として悪意の受益者となると判断した最高裁平成19年7月13日判決

過払い金を計算するためには、まずは過去の借り入れと返済の明細を取り寄せる必要があります。取引の履歴を入手できたら、それを元に、引き直し計算を行ないます。引き直し計算のためのフリーソフトなどもあります。アドリテム司法書士法人さんの公開している、「外山式」と呼ばれる計算ソフトが有名です。

請求には、実は期限があります。過払い金返還請求権は上記のように不当利得返還請求権であり、不当利得返還請求権は債権ですので、民法の規定により10年で時効消滅してしまうためです(民法167条)。この10年の起算点は、取引終了の時点であるというように、最高裁で判断されています。これを、取引終了時説などと呼びます。以前は、個別進行説という説もあり、下級審の判例は分かれていたのですが、上記最高裁判例により決着がつきました。

ただし、取引終了時というのが、基本契約の解約の時点なのか、最終の取引の時点なのか、無利息の残高がある場合にその返金の時点なのか、このような細かい点については、まだ争いとなる場合もあります。

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過払い請求の消滅時効について

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このページは、webmasterが2010年6月30日 12:33に書いたブログ記事です。

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